いつか君に

― 5 ―


君が必要とする人は誰?


君と未来を見るのは誰?


やっと掴んだキセキを・・・




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やっと目が覚めたであろう雅人と真奈美が会話を始めた。

「おはよう。会話できるくらい目は覚めた?」

「ん〜〜。キスしてくれたら覚めるかもー」

「んじゃあ、隣の金髪の名無しさんにしてもらって」

「えーーー。ナナシさんってだーれ?」

「ナナシじゃなくて、名前を教えてくれないから名無しさん。」

「あ〜〜そ〜ゆ〜こと・・・。名無しって・・・昨日あったじゃん。」

「確かに昨日会ったけど、名前は聞いてない。」

「つーかさぁ、名前覚えるの?」

「えっっ・・・・・・・。」

・・・・・そうなんです。実は私は人の顔と名前がものすごーく覚えないんです。

自分に必要な人は、それなりに覚えるんだけど、興味の無い人や、非重要人物は コロッと忘れるの。

これは、昔っからの癖でいまさらどうしようもないんだけどね・・・。

酷いときなんか、夏休みなんかの長期休暇後にクラスメイトを覚えてないってこともあったし。

雅人は、そんなときのことも知ってるからワザと聞いたんだろうなー。

確かに、私がかかわるのも後数時間でしょ・・・。

わざわざ名前なんてねぇーーー・・・。知らなくてもいっか。

真奈美は、一人でなにやら納得した様子で、雅人は悠然とコーヒーを飲んでいる。 雅人は、隣に座る金髪の男となにやら話しているようであったが、考え込んでいた真奈美の耳には届かなかった。

「じゃぁ、私準備ができ次第出て行くから」

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「「はぁ?」」

雅史と金髪の男の間抜けな声が重なった。

「だから、私がいないほうが、部屋もひとつ空くし、雅人も友達とゆっくりできるでしょ。あ、私なら大丈夫他に行くとこもあるしね。」

真奈美の発言に、雅人は冷静に答えた。

「なんで出て行くわけ?真奈美がいないとこいつ等の面倒看る人居ないし困るんですけど。 それにオレ一週間くらい忙しくなりそうだから、とりあえず頼むわ。」

「いや、意味がわからない。」

「なんつーか、今の時期に風邪引いてると、いろいろと困るわけ。そんで、ここらでシャキッと治ってもらうには どうしたらいいかというと考えて、家なら6人くらいなら布団にも困らないし、看病に適する人材も居ることだし。 という感じで決まったというか、なんというか。多少のことでくたばるような 奴等じゃないから、ちゃちゃっと面倒看てやって。変なやつらじゃないのはオレが保障するし。な?」

「な??じゃない!初対面で日本人はキスしません。しかも人の布団の中に入ってきたりしません。」


「・・・・は?今なんていった?」

雅人は低い声で聞いた。

「だから、日本人にはキスする習慣ないし、一緒に寝る習慣も無いのに、誰だって初対面の男が同じベットで裸で寝てたら怒るでしょ。」

真奈美の答えに、一瞬にして何かを悟った雅人は、金髪の男を一瞬見てから、真奈美に告げた。

「うん。確かに日本人にはそんな習慣無いもんね。こいつにはオレからよーーーーく言い聞かせておくし、他のやつらにも言い聞かせて置くからね。 取りあえず風邪が治るまででいいから頼むよ。な?じゃあオレはこいつ連れて他のやつら起こしてくるから、朝食の準備頼むわ・・・。」

雅人はにこやかな笑顔で、金髪の男を連れ他の男たちの眠る客室へと向かった。
雅人に連れられた男は不気味なくらい大人しかったが、真奈美は気がつくことなかった。

そして、風邪が治るまでなら面倒看てやるか。ということを考えながら朝食の準備を始めた。



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