いつか君に ― 31 ― それもトップと呼ばれる・・・。 だが、彼らは歌が上手いだけではない。 顔も、なまじのアイドルや俳優なんて足元に及ばないくらい綺麗だ。 現に、歌以外の仕事も殺到しているらしい。 でも、本人たちはそれらの仕事に一切目も向けない。 インタビューだって、あくまで歌手としてのもの。 それに、keiとKouは何も言わないけれど・・・、私は知っている。 写真集の依頼も数多く来ている事を。 そして その仕事を一度も請けたことが無いことも。 彼らTwo−Kの写真はすべて名倉良二こと私のとったものなのだ。 keiとKouがテレビに出ていると思わず見入ってしまう。 雑誌に二人が乗っていれば、思わず手に取ってしまう。 それくらい二人のことが好きだ。 落ち込んだ日も、二人の歌声で癒される自分が居るし、嬉しいときに口ずさむのも彼らの曲。 とんだ運命の悪戯で彼らに出会った私が、彼らの写真のすべてを任せられるなんで 本当に人生の七不思議!! だから、思う・・・・。 このままでいいのかって・・・・・・・・・・。 有名なカメラマンが二人を撮りたいと言ったこともかなりの数だ。 それらの多くは今でもその機会を狙っているとのこと。 世間に出ている、Two−kの写真という写真はすべて私の撮った彼らだ。 私と彼らの都合がつかないときは、雑誌などには前の写真が使われるのもよくあることだ。 一度なんてミニアルバムで、彼らを被写体として撮っている時間が無かったときがある。 そんなときは私が撮った風景画なんかを彼らが選んで使ったことがある。 つまり、彼らの顔はポスターにも何にも使われなかったのだ。 私は申し訳なかった。 彼らのファンは少なからずがっかりしたと思う。 それでもそのアルバムが驚異的な売り上げを上げたのは他ならぬ彼らの実力だろう。 彼らに私の写真を認めてもらえたのは、嬉しいけど無理に二人を縛っている気がして・・・・少しツライ。 「どうした?」 いろいろと思い出してした私はきっと変な顔をしていたのだろう。 Kouが優しく髪を梳きながら頭を撫でてくれる。 優しい目をしたKouと視線が絡み合う。 思わず俯いてしまう・・・だっていつ見てもこの癒し系スマイルにドキドキしてしまう。 「なんでもないよ」 小さく囁く。 「そっか」 相変わらず手は私の髪を撫でるように触れている。 そんなKouの仕草にまでドキっとしてしまう私は情けない。 keiは、用があると事務所に行っているので今は二人っきりだ。 Kouがこんな風に触れてくるのは三人で居るときはそんなに無い。 だからこそどうしたらいいか分らない。 ゆったりとしたソファで寛ぐKou・・・その隣でどうしたら良いか分らず大人しくされるがままになっている私。 こういうときのKouは妙に色っぽかったりして、私的には大変だ。 雑誌なんかの抱かれたい男でbest3に入る人だもん。 いつも、Kouの視線は優しい・・・だからつい甘えたしまいたくなる。 徐にKouを見つめると、Kouの優しい眼差しがこちらに向いていた。 すごい偶然だ。 「俺さ、本気で連絡待ってたけど・・・マジで一回も連絡なかったよな? それってさ、仕事以外では関わる気が無いってこと? 今回、こうして会えたのも、仕事だから?」 |