いつか君に

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「まぁ約束だったし?それに何事もフェアがいいとおもう・・・」

雅人はそういうと昨夜の事を説明した。



「俺が帰ってきたとき、リビングで真奈美が寝てて、寒そうだから運んでやっただけ。」



雅人はサラッと昨夜の事を説明した。

「運ぶなら、真奈美の部屋に運べばいいだろ?」

ツバサはムキになって雅人に詰め寄った。

「何で?俺は真奈美と一緒のほうがいいんだけど。」

雅人も平然と言い返した。

「お前が一緒に寝て何もしないわけ無いだろ?」

キョウスケが雅人に問う。

「約束は守って貰わないと」

口調は落ち着いているが声に怒りを含んでユキは雅人を見据えた。



「ちょっと待って!勝手に話を進めないでくれる?約束ってなによ?それに、運んでくれたのはありがたいけど、 私は一緒に寝なくてもいいんですけど・・・。」

言い合いを始めた7人を制すべく真奈美が声を荒げた。



********************


「で、雅人いい加減話なさい。」

「・・・・。」

「雅人!!!」

真奈美はものすごい勢いで詰め寄る。



「もし、昨日一日で真奈美を泣かせるほどいやな目に合わせたら、今すぐにここから追い出すってこと。」

雅人がこたえるより先にユキが真奈美の質問に答えた。



「・・・・・はぁ?」

真奈美は目を見開き呆れた。



意味が分らない。 何で私が泣かされる?大体こんな初対面の人たちになぜ?



真奈美の頭の中には「なぜ?」の二文字が咲き誇っていた。



実際に男達で交わされていた約束には、これに続きがあったが真奈美には知る由も無かった。



********************


「真奈美の疑問が解けたところで、二人の関係はなんなの?」

釈然としないままの真奈美に話題を変えるかのごとく、コウタが問う。

「はい??」

いきなりのコウタの質問に真奈美はキョトンとした顔を見せた。



「なにって、前もいったじゃん?友達だよ?ねぇ?」

真奈美は確認の意味を込めて雅人の方へ同意を促す。

「・・・。」

雅人は真奈美の視線に気が付きながらも答えようとしない。


「雅人?どうかした?」

真奈美の問いに雅人は軽く頬へんでから言葉を発した。





「せめて元彼って言ってよ。」





「「「はぁ」」」



数人が驚いたような声を上げるが、真奈美は少し呆れた顔をしていた。


「元彼って・・・・一体何年前よ!」

張り裂けそうな空気の中真奈美のなんとも呆れた声が響く。



確かに雅人と付き合ってたっていったらそうだけど、今更わざわざ言うこと??

まったく今日は意味の分らないことが多いなぁ・・・。



「何年前でも事実は事実じゃん?」

「それはそうだけど・・・。」

「物忘れの激しいお前が忘れてないだけでもある意味すごいじゃん。」

「うっ・・・確かに私は人の顔とか名前とか覚えるの苦手だけど・・・。」

「そうだよ、クラスメイトでさえ覚えないからな。」

「・・・そんなにバカにしなくてもいいじゃん。」

「バカにしてるつもりは無いけど??」

「十分バカにしてるーーー。」



「おい・・・。話がずれてる」

真奈美と雅人の言い合いに皆半ば呆れていたが、キョウスケが二人の会話を止めた。


真奈美があっと我にかえるが雅人にはそれほど変化が無い。

「元彼ってマジで?」

トシヤが信じられないっといった感じで真奈美を見つめる。

「う〜ん。まぁね・・・。」

「何で元彼と暮らせるわけ?」

「ま、待って。落ち着いて」

トシヤが真剣な目で真奈美を見つめる為真奈美は困ってしまった。

「私たちが付き合ったって言っても・・・ねぇ・・・。かなり昔のことだし・・・。」

「昔って言っても付き合ったんだろう?」

リョウが鋭い視線を向けて真奈美に問う。


辺りにはより一層重い空気が流れた。

そんな空気の中雅人だけはいつもと変わらなかった。
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