いつか君に ― 24 ― 部屋の中をけたたましく動き回っている音が響きわたる。 コンコン-----------ガチャ。 激しくノックがされ、返事も聞かずドアは開け放たれた。 ノックしてるのに、普通返事待たない?なんですぐ開けるかな? 真奈美はまどろむ意識の中そんなことを考えていた。 「真奈美がいないんだ!!!」 「雅人起きろ!!」 ノックの主が声を張り上げながら部屋に入り込む。 「なんだよ・・・・・・・・。朝っぱらからうるせえなぁ・・・。」 不機嫌な声の主が真奈美を抱きしめていた腕に力を込めた。 「だから、ウルサイじゃなくて!!真奈美がいないんだよ。」 雅人の眠るベットの側まで数人が寄った。 辺りがシーンと静まりかえる・・・・・・・・・・。 雅人の眠っているベットの側までツバサ、コウタ、ユキが歩み寄っていたが ある時点で三人は動きを止めた。 雅人のベットには明らかに二人分のシルエットがある。 それはかなり密着しているのが傍からみてもよく分る。 雅人とは別の茶色がかった髪が雅人の腕の中に納まっている。 「いったいなんだよ・・・・・。」 雅人が気だるそうに体を起こし室内にやってきた3人を見た。 「おーーーい。雅さん起きたか??」 リビングからトシヤが問いかけた。 「「「・・・・・・」」」 三人は無言で返す言葉が無い。 痺れを切らしたトシヤが雅人の部屋を覗き込んで再度問う。 「雅さん起きた?」 「起きてるよ・・・」 無言の三人に代わり雅人が答えた。 「真奈美がーーーーーーーーーーーーーーーー。」 真奈美が居ないと言おうとしたであろうトシヤの声は驚きで途切れた。 トシヤも体を硬直させて目の前の光景に動きを止めた。 「んーーーーーーーーーーーー今何時?」 沈黙を破ったのは他でもない渦中の人物である。 ゆっくりと体を起こすが、眠たげに目は閉じられている。 まだ夢見心地のせいだろうか、よろめく体は雅人にもたれ掛かるように支えられていた。 時刻はそろそろ11時になろうとしていた。 重い空気の中7人の男と1人の女はリビングにいた。 あーーーーーーーーどうしよう・・・。 真奈美は一人掛けのチェアに座り目線をやや下に下ろしたまま俯いていた。 寝ぼけていた真奈美であったが、トシヤやコウタ、ユキ、ツバサなどの驚きや疑問を含んだ叫びで一気に意識を覚醒させたのであった。 そして自分の置かれてる状況を改めて見つめると・・・・。 一つのベット。隣にはいまだに眠そうな半裸の男・・・・。 この状況が指し示すものはたった一つ??? そこまで真奈美が考えると「わぁーーー。」っと叫びながら布団の中に潜り込んでしまった。 しかし、なんだかんだでベットから引きずり出され顔を赤くしてリビングに居る。 なんとか身支度をする時間はもらったが、その間も先程の事態を思い出していた。 「で、どいうこと?」 落ち着いた様子で口を開いたのはユキであった。 返事を求めて6人の視線が一斉に真奈美を捕らえた。 「私に聞かれても・・・」 真奈美はしどろもどろに答える。 視線が雅人に移る。 「どういうことって、どういうこど?」 雅人はユキに質問を返す。 「だから、何で真奈美が雅さんの部屋に居たわけ?」 若干苛ついた様子でトシヤが雅人と真奈美に問う。 「二人の関係がどういうものなのか、教えて貰う約束だたよね?」 落ち着いた様子でコウタが雅人に問う。 「なんでだろうね?」 張り詰めた空気の中、雅人が僅かな笑みを浮かべて答えた。 一見美しい微笑であるが、目は笑ってたいなかった。 真奈美は背筋が、ぞっとした。 うわぁ〜〜〜雅人がコワッ!!! かなりブラック入ってない? こんな雅人を見るのはどれくらいぶりだろう?? そういえば、朝無理やり起こされたもんなぁ・・・・。 昨日も遅かったみたいだし・・・・・・・・・・・・アレ? そういえば雅人は昨日のいつ帰ってきたんだろう? う〜〜〜ん・・・・・・・・・。 昨日みんなの所を順番に回ってから、リビングのソファーでボーっとしてて・・・・・・。 ・・・・・・・・・・。 それからどうしたっけ?あれ? 記憶が無い。 私、なんで雅人の部屋で寝てたの?? |