いつか君に ― 26 ― 「あ・・・・・・・!!ヤバい。」 真奈美はそういうと一目散に携帯電話を手にした。 「ちょっとごめん。」 携帯電話を手に真奈美は一人ゲストルームへ走りこんだ。 数分後・・・。 真奈美はリビングに戻るとそこは相変わらず重い空気に包まれていた。 「も〜、どうしたって言うの?」 真奈美の問いに答えるものは居なかった。 なんだか今日は皆変だ!いったいどうしたっていうの? う〜〜〜ん。 こんなときに悪いけど、私これから出かけないといけないんだけど・・・。 この雰囲気だと言い出しにくいなぁ。 「話がしたいんだけどいいかな?」 ユキが柔らかな口調で話しかける。 「私?うん。いいけど・・・。」 一体なんだろう?今日の予定とかかなぁ? 「やっぱり納得できないんだ。どうして雅人と一緒に住んでるわけ?友達となら誰とでも一緒に住めるってこと?普通男と女が一緒に住んで何も無いってありえないし・・・。」 ユキはまっすぐ真奈美に視線を向けながら問う。 他の男達も固唾を飲んで真奈美の返事を待っている。 「えええっと。どうしたの?急に・・・。それに、なにをどういう風に思ってるか知らないけど、私が雅人と付き合ったのって大昔の話だよ? それに付き合った期間なんて、友達の期間に比べたらミジンコ並の期間だよ? そんなんで、元彼も元カノもないし・・・。今更どうにかなるような間じゃないもんね?」 真奈美は同意を促す為に雅人の様子を伺うが何も変化は無い。 「昔って言うけど、ちなみに付き合ったのっていつ?」 キョウスケが問う。 「う〜〜〜ん小6?」 呆然とする面々をよそに、真奈美は口を開いた。 「あの〜〜私、今日は予定があるんで失礼しますね。」 そう用件だけ告げ足早に自室に走りこんだ。 数分後には、準備を済ませマンションを後にした。 まったく、昨日は彼らのおかげで余り眠れなかったな・・・。 ふぁ〜〜〜本当に眠いよ・・・。 でも、みんなカッコいい人ばっかりでびっくりだよね。 昨日だって周りの視線が痛かったもんね。 ・・・・・・それにしても、雅人があのマンションにお客さんを連れてくること事態珍しいし。 そうそう、雅人と付き合ってたこと思い出したじゃん・・・・。 あんまり思い出したいような思い出でもないけどね・・・。 真奈美は出かける道ながら昔を思い出した。 私と雅人は同じ小学校に通っていた。 このころの女の子というのは、少し恋に目覚めてたりもする。 私だって例外じゃないと思う。 まぁ、クラス内で人気なのは、勉強やスポーツをそつなくこなす明るい感じの子が人気であった。 雅人はアノ当時から結構整った顔をしており、勉強もスポーツもサラッとこなす男の子だった。 クラスで一位二位を競うような男の子で、先輩からも後輩からも好かれていた。 ちょっとずつ、皆が大人になっていき、恋を始める。 イベントごとで告白が当たり前になったり、仲良くなったり・・・。 中には付き合ったりしている子も居たがどれほどの付き合いかは知らない。 なんとなく、男であるとか女であるとか、そういった事を意識しだしたころだと思う。 小学校6年の秋だった。 私立の中学に進学するのをやめ地元の中学に進学することにした。 そんな時だった。 雅人に告白されたのは・・・・・・。 雅人の人気は相変わらずだったし、どうして私なんか?といった疑問で一杯だった。 時期を同じくして先輩や同級生、下級生にまで告白を受けた。 ・・・・・・でも特別に誰かと付き合いたいとかは無かった。 そのころの私は誰かを好きになりたいとは思えなかった。 ただただ、みんなでワイワイ楽しく過ごすので十分であった。 これ以上傷つくのが怖かった・・・・・・・・。 「俺と付き合って。」 雅人にそういわれたときは、ふざけてるだけかと思っていたけど、雅人が真剣な目をしていたので断りきれなかった。 私は友達以上には考えたことは無かったが雅人と付き合った。 |