いつか君に ― 1 ― 君はあの時のことを覚えているだろうか・・・。 やっと君に会うことができる。 いつか君にあの日のことを・・・。 Pi.Pi.Pi.Pi.Pi.Pi.Pi.Pi.・・・・ うっ〜〜朝か… 目覚ましうるさいなーもう少しこのまま寝ていたいのにぃ。 人に抱きしめられて寝ると暖かいのよね。・・・・・・・・・え!? 抱きしめる!?誰が誰を!?・・・・。 やっとの思いで重い瞼をあけると、目の前には男性の鎖骨と柔らかそうな金色の髪があった。 なにこれ。どういうこと?あ〜まだ夢を見ているんだ・・・。そうだ夢に違いない。 一人で納得しようとしていたその時、頭上から声がかかる。 「おはよう」 「・・えっ??」 腰に回されていた手に力が入りきつく抱きしめられる。 「えっ、ちょっとやだ離して。何なの。」 両手足を必死にばたばたさせてもがくがびくともしない。 「朝からよくそんなに暴れられるな。そんなに暴れる体力があるならもっと有効的に使わなきゃ。」 腰に回されていた手の力が、すっと緩んだ。 いったい誰なんだと思い、顔を上げると綺麗な顔の男性がいた。 鎖骨の辺りまで金色に輝く髪が伸びていて、誰もが美しいと認めるであろう整った顔がすぐ傍にあった。 綺麗な顔に思わず釘付けになって、一瞬抵抗するのを忘れていると、その唇が近くなった。 (ばしっっ・・・) 咄嗟に右腕を出し、顔面に平手打ちが決まった。 「いってー。いきなり殴るか普通。」 平手打ちが男の顔に決まり、怯んでいる内にベットから這い出て蹲る男を見る。 この人誰だっけ?ここは間違いなく私が使っている部屋だし。パジャマは普通に着ているし、何にもないよね。う〜ん・・・。 「あなた誰?何で私の部屋にいるの?」 思い切って男に尋ねてみるた。 「お前、いつまで寝ぼけてる気!?昨日の今日でもう忘れたわけ。あ〜日付的には今日だけど。」 「あーーーーーーーーーーーーーー」 これが奇妙な生活の始まりの朝だった。 |