い ち ご

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春日家の四女「いちご」

天真爛漫な性格である。

ただいま思春期真っ只中の15歳。


・・・報われない恋をしています。


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私にはずっとずっと好きな人がいる。

小さいころからずっと見つめてきた・・・。

でも、あの人は私の手の届かない人。

大好きなさくらお姉ちゃんの彼氏なんだもん。

隣のうちの司お兄ちゃん、私の初恋の相手で無理だと知りつつも、今も思い続けているの。

悲しいけど、さくらおねえちゃんと司お兄ちゃんが一緒に居るのは、絵になるって言うか、なんていうか、敵わないな・・・って素直に感じてしまう。

だからと言って、この恋心をそう簡単に消すことができなく、ずるずると引きずって今日に至るってわけ。

司お兄ちゃんに告白して、振られたらそれこそ諦めがつくかもしれない・・・・でも、彼女の妹としてでも笑いかけてくれるならって思うと、何もいえない。
あの笑顔を失うことが怖くて堪らないの。

本当は「妹」なんかじゃ嫌・・・。彼の特別な人になりたい。

そんな夢みたいなことを願い続けている。



初めて彼に会ったときのこと覚えてはいない。


なんせ、お隣さんだから・・・物心ついたときには側にいた人だった。
あの優しい眼差しに惹かれていた。

気がついたときには、さくらおねえちゃんと付き合っていた。

私の叶わない思いはいつまで続くのだろう・・・。

さくらお姉ちゃんは、誰がどう見たって非の打ち所のない美人だ。

ぽやぽやしている母の代わりに、私たち姉妹の面倒もよく見てくれている。

優しく、春の日のような微笑を保ち、シャンとした背筋をした完璧な人だ。

私自身、いままで何度となく悩みを打ち明け助けられたことどろう。

そんなさくらお姉ちゃんに一度も明かせない悩みが、この”報われない恋心”だ。

春に咲く美しい桜の花・・・何一つかなうところのない自分が情けない。



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